第13回「高原に咲く、しあわせ」【玉原東急リゾート総支配人 和田諭】

2010年7月1日 12:00 PM

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【成功させよう「群馬デスティネーションキャンペーン」第13回】
 たんばらラベンダーパークがオープンしたのは15年前の平成7年、スキー場を開業して7年目の夏でした。夏期事業を模索して北海道で買ってきたラベンダーの種を蒔(ま)いたのが始まりで、少しずつ苗木を取り寄せプランターに、花壇に、そしてゲレンデの脇へと徐々に増やし、5年目でやっとスキー場のゲレンデにラベンダー畑を造成しました。1万株のラベンダーが咲く一方、枯れるものも目立ち始めゲレンデに畑を拡張する傍ら、ラベンダーの育成に適した土壌へと改良を重ねていきました。幸い北海道富良野の方々にもご指導をいただき、育成試験の末、園内の木道整備を実施し3万株に増え営業をスタートすることができました。翌年からリフト営業を開始し、その後も園地の改良、拡大を実施し、現在は5万株のラベンダーに約15万人の方々が訪れています。
 首都圏から2時間ほどの近さながら標高1300メートルという夏でも涼しい高原の気候は、ラベンダーの美しい紫色のじゅうたんを、周囲の素晴しいブナ林とともに癒(いや)しの別天地へと引き立てています。最近は、7月のニッコウキスゲや8月のアナベル(西洋あじさい)も彩を添えています。また、開花を楽しむだけでなくラベンダーミストによる薫りの演出やクラフト体験が楽しめるプログラムも手掛けています。
 一時のリゾートブームが下火になり大規模なハード投資は影を潜めており、これからはきめ細やかなソフトによる観光誘致が必要になります。群馬県は「からっ風とかかぁ天下」で有名ですが、独特の気象や心温まる人情をベースにフレンドリーなおもてなしに磨きをかけており、訪れる方々の楽しい思い出作りのお手伝いがでればと思っております。昨年、園内のレストランで群馬の麦豚を使用した地産メニューの「たんばらバーガー」を販売したところ大変に好評でした。今年は上州牛を使用したバーガーや麦豚のカツサンドの販売も始めます。
 観光の要素は至るところに潜んでおり、住んでいる私達も気付いていない魅力があります。沼田の街中の名所や周辺のスポットと連携して点から線や面へとつながる観光ルートに発展することをデスティネーションキャンペーンでは期待しています。河岸段丘に立地した沼田城の歴史背景や玉原山麓の初夏から秋にわたる各種の観光果樹園などは観光ポテンシャルとして高いスコアを持っており、今後のコラボレーションが楽しみです。

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