第21回「製糸場を生かした夢のある街づくり」【NPO法人富岡製糸場を愛する会理事長 高橋伸二】

2010年8月28日 12:00 PM

【成功させよう「群馬デスティネーションキャンペーン」第21回】
 富岡製糸場を愛護し、その価値を伝える私たち住民団体が最も今関心を抱き、期待していることは、日本の近代化の原点、世界の宝としての「富岡製糸場」を生かした夢のある街づくりです。住民が友達を連れ歩きたくなる富岡の街、来街者が時間をかけて楽しみ、また来たくなるような魅力ある街です。
 私たちは、富岡製糸場の操業停止後、富岡製糸場の世界遺産的価値を学ぶグループ活動から出発し、今年4月にNPO法人化して活動基盤を強化し、会員も約1500名に達していますが、製糸場と地域社会が一体となって連携して、製糸場と地域、伝統資源、観光などとの関係を活かした街づくりを急ぐ必要があると考えています。
 製糸場をとりまく市街地を魅力ある場所にしなければ、街中を楽しむ人々の流れも生まれず、リピーターも出てきません。製糸場のほか、街中に郷土の福沢一郎、吉野三郎外の芸術や伝統文化を発信できる拠点がいくつかできて、街中においしい郷土料理や伝統的な土産物が楽しめるお店、そしてフランス風カフェ等がいくつもできれば来街者は必ず足をとめてくれるでしょう。また、住民も自分たちの街に出掛けてゆくようになります。
 もちろん、街中だけでなく、妙義山、貫前神社はじめ近隣の寺社仏閣、温泉その他観光施設や養蚕施設などとの連動した観光ルート開発も大きな地域おこしにつながる重要ポイントです。製糸場も周辺街並みも商店街も近隣資源も含めて、「観光」とは「地域の光をたのしむ」ものと言われます。この製糸場のある街「富岡」にふさわしい光を、訪れる人たちに発信できるような街づくりが最も求められています。
 富岡製糸場の価値は、日本とアジアの近代化の出発点であり、世界の絹文化発展の原点であることです。日本は、富岡製糸場をスタートに各種近代産業を飛躍的に発展させ、短期間でアメリカに次ぐ経済大国になりました。私たちは製糸場が日本国民にとっての誇りであり、愛護すべき産業遺産としてこれからどう利活用できるかを考えています。
たとえば製糸場を街から遠ざけている北側、西側、東側のブロック壁を撤去するとか、または、基礎は製糸場風赤レンガ作り、上は可視フェンスなど視界を良くするものに変えて、その内側の一部空地を住民がいつでも立ち寄り、休み、製糸場の赤レンガや大桜などを眺められるよう開放するなどして、これだけの価値があるものを頂いた地域の住民として、どのように後世に伝えていくかに重点を置いて活動していきたいと思います。
 生糸で経済世界一になった日本がまた一世紀半を経てこの富岡の地から日本再生のインパクトを発信できればと願うものです。
 平成23年「群馬DC」が富岡製糸場を活かしたまちづくりに拍車をかけてくれることを期待いたしますと共に訪れる人々に喜ばれるような製糸場のあるまち、富岡の街づくりに一層励んでゆきたいと考えます。

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