桐(きり)たんすや桐箱など桐製品を取り扱う「桐匠根津」(利根郡みなかみ町月夜野、根津公安代表)は、桐工芸の伝統技術を将来に残す取り組みを行っている。100年以上継承してきた技術や知識に最新のテクノロジーを組み合わせ、桐工芸の新たな形に挑戦する。
同社は1917年創業の桐たんす屋。これまで「夢を形に」という理念の下、桐たんすなどを客の希望に合わせた「大きさ・形・色」で仕上げるフルオーダー製作を行ってきた。
3代目の公安代表の時からは桐たんすのリフォーム業を始めた。リフォームの際に施す「時代仕上げ」という技術は、現在では全国でも利用する職人は少なく希少な技術となっている。
表面を削る「削り替え」工法とは違い、表面を焼いて直す「時代仕上げ」工法では、削ることができず修理を諦めるような桐たんすでも直すことができるという。
表面を焼いてすすを払い、砥粉(焼いて粉末状にした粘土)を塗り、ろう引きをして磨き上げる。これにより木の軟らかい部分が燃えて、硬い部分だけが浮き立って残る。凹凸のある気持ちのよい触り心地の仕上がりになり、表面を炭化させるため防虫効果が高まる。
同社では独自に調合した塗料を使用することで、桐たんす本来の「人肌色」に戻す技術も編み出している。これら技術と桐工芸を未来に残すことが今後の課題となっている。
4代目で長男の安臣さん、次男の秀崇さん、三男の昭仁さんがこの課題に挑戦する。・・・続きはこちらから
続きを読む場合はログインしてください。